昨年に引き続き、長野県のM社から高知の乾燥ゼンマイを集めてほしいとの依頼があり、先日、大豊町で近隣の農家の方と親しく、毎週土曜日、高知市で開かれるオーガニック・マーケットに出店しているY氏とともに、農家を訪問した。

今年はすでに、地域の農協に依頼して、ある程度の量を集めてもらうことにはなっているが、年々、人口減少と高齢化の波の影響で、収穫量が減少してきている状況で、需要意欲は低下していないので、価格が昨年以上に高値で取引されているようである。

特に、徳島方面から毎日のように農家を訪問し、買い付けている商人がいるらしい。

都道府県別の収穫量からいえば、過去のデーターで、高知県が一番多く、続いて、秋田、新潟、福島、岡山、徳島、宮崎と続く。

輸入ゼンマイは農薬等心配から最近は増えていないようである。

84%が中山間地区で平野が少ない高知県は栽培に適している地域が多いといわれている。

採取時期は4月~5月であるが年によって一週間以上の変動があり、植栽後は生育管理に努め、4年目位から収穫を開始する。

採取量も年々増加し7~8年経過すると安定した収穫がえられる。

採取したゼンマイは、できるだけその日のうちに処理する。

採取してきたゼンマイの綿毛を取り、先端の葉の部分も取り、軸だけにする。

木灰や、重曹を入れたお湯で良く茹で、茹であがりをむしろなどに広げ、天日で乾燥します。

半乾きになったら揉み始めますが、ここで手を抜くと料理した時に固いゼンマイを食べることになります。

3日から4日ほどで、乾燥しますので、袋に詰めます。

十分に天日で乾燥させる必要があります。

日本には、多くの種類の山菜が生育している。

主なものに、ゼンマイの他に、わらび、ふき、ウド、ねまがりたけ、たらのめ、あざみ、さんしょう、じゅねんじょ、つわぶき、またたび等があり、高知県には、四方竹やイタドリ等の独特な山菜がある。

取引される、山菜の単価では、たらの芽に続きゼンマイは高値である。

高知の主な生産地もほとんどが山間部で、山道の運転は慣れないものにとって、恐怖の連続である。

仮に悪天候で土砂崩れでもあれば途方に暮れるし、車での故障でもしたら一大事である。

今回も、まず知り合いのY氏の指示の場所に到達するのに2,3回携帯で電話をして道を聞いたが、どこに自分かいるか伝えられない。

ナビはあるが、目標がない。

何とか、一件目の農家で落ち合い、早速、大きな透明のビニール袋に10キロほど入ったゼンマイを農家のから買わせてもらう。

買い付けにくる徳島の商売人は自分で台秤を持参してくるらしいが、私は農家の秤で目方を確認する。

昨年も買わせてもらっているので、
若干高い値段を伝え了解してもらう。

本来は現金取引の習慣だが、金額が張るので、数日中に振り込むことで了解してもらい、振込先の口座番号をメモしてもらう。

ゼンマイは太くて赤みがかつた物が良品とのことですが、十分識別できないので、すべて同額で引き取ることにする。

この日は7件回って約100キログラムの乾燥ゼンマイを、軽自動車一杯に積み込んで、N通運の高知ターミナルへ持ち込み、段ボールへ詰め、生産者が解るようにして長野のM社へ発送した。

今年はあと数回ゼンマイを集めに山に入らねばならない。

平成28年6月15日 鍵山 武男