◎第360回 新高梨(平成30年10月12日)

生産者の苦労を感じ

努力の大事さを改めて実感

 平素から親しくさせていただいている、田野町でトマト等の生産・販売をされているY氏が、新高梨の生産者の所へ一緒に出掛けようというので、高知駅で待ち合わせて出向くことにした。
 この時期になると、高知でも各地からの梨が店頭に並びだす。Y氏は、新高梨を仕入れて首都圏へ販売するのとと、地元の道の駅で販売することを目的に、知り合いの生産者K農園へ出かけるという。
 向かう先は高知市朝倉針木という地域で、高知市が一望できる小高い山の上に梨園が幾つもあり、針木梨組合を組織している。水はけの良い急な斜面にある農園には、昼間は太平洋からの暖かい風が、夜は仁淀ブルーと呼ばれる清流・仁淀川からの涼しい風が吹き、この寒暖の差によりおいしい新高梨が育つという。
 新高梨は大正4年、梨研究の第一人者である菊池秋雄博士により、東京府立園芸学校玉川果樹園で誕生した。高知市針木は国内で最も早い昭和5年から栽培を始めた新高梨発祥の地とのこと。
 K農園の営業ウーマンであるマダムによると、今年の夏は非常に暑く、台風もたくさん襲来していて、暑い夏に台風のもたらす雨は、作物にとっては大きな恵みになることもあるという。昔の新高梨の棚は竹で、強い風が吹くと棚ごと大きく揺れたが、大きな新高梨はびくともしなかった。今年の春は4年ぶりに好天に恵まれて十分に交配することができ、針木の新高梨にとっては少し明るい秋となった。それでも、夏の高温、少雨、ハクビシンの食害などで豊作にはなかなか結びつかないが、「それなりに皆様にお届けする梨が収穫できたことに感謝いっぱい」と話してくれた。
 大きい果物は大味でおいしさに欠けると一般的に言われるが、新高梨は大きければ大きいほど本来の味が引き出され、大きなものになると2キロを超え、子供の頭以上の大きさになる。
 K農園では収穫された梨が所狭しと箱詰めされ、大きさや品質、傷のあるなしで、それぞれ値段が表示されていた。K農園では、ご主人を始め56人が作業をされていて、奥様がお客様対応ということで、事細かに説明して下さった。
 同行したY氏は早速、関東の販売先と商品と値段を確認し、地元の道の駅用には別途、商品を注文した。
私はまず、おいしそうで手頃な値段の物を選び、知り合いと東京の家族向けに宅配の伝票に記載し、発送の依頼をさせていただいた。
 K農園のマダムの話からも、年に1回の収穫で左右される1年間の苦労を推察することができるわだが、直接接してみて、その真剣さを肌身で感じた次第だ。たかが梨であるが、それを1年間、手塩にかけて育てる生産者の苦労を感じることができ、大変感銘したひとときとなった。多くの農産物の生産者が自然と共生し、その中で生活者が求めるものを栽培し販売するこの行為の尊さを、身に染みて体験することができた。さらには私も、今後も努力を重ねることの大事さを改めて実感できた。
 農業、頑張ります。

2018年10月12日