◎第369回 高知県農産物の首都圏への物流システム (平成31年2月13日)

生産者ごとの商流把握
物流事業者の運行状況の調査が必要


 農産物など、一次産業が中心な高知県において、大消費地である首都圏への安定して効率の良い、そして安価な物流の仕組みを構築することによって、高知県産品の市場での競争力を高めることは、多くの生産者の願いである。
 現状では、多くのトラック運送事業者の懸命な努力にもかかわらず、物流量がまとまらない。首都圏への物流システムが不十分であるために、生産者、トラック運送事業者、販売者の3者がウインウインの状況ではないのだ。従って、運賃負担力のない一次産品に占める輸送関連の比率は、他県に比べて高いと言わざるを得ない。
 もちろん、高知県では、園芸連やJAの優れた輸送システムが大きな力になっている。しかしながら、生産者と買い手や加工業者との直接取引が増え、カット野菜やカットフルーツが商品の主流を占めていることなどにより、流通形態も大きく変化してきている。また、直接取引が増えている中では、生産者それぞれが物流事業者と交渉しなければならない。
 少量で送る場合はヤマト運輸、佐川急便、日本郵便に依頼するケースがほとんどで、宅配運賃になる。ある程度まとまった量になると物流事業者との交渉になるが、事業者側もそれぞれの運行計画があるので、生産者側の意向に沿えるのには限界がある。
 例えば、弊社が栽培しているネギの種類は青ネギ、その多くは根の部分を残して畑から刈り取り、外側の部分を取り除く(そぐり作業)それを10キロ箱(140サイズ:高さ70センチ・横30センチ・奥行き40センチ、0.084立法メートル)に入れると、現在の商品価格はキロ当たりで平均で250円、10キロで2500円程度だ。
これを宅配で首都圏へ送ると1,100円、さらにクール便にするとプラス1,000円になり、商品代金と運賃がほとんど変わらない。運賃比率は45%以上、輸送コストに段ボール代を入れると50%になる。
 
 高知の高速のインターチェンジ近くにターミナルを持つN物流はクール便専門で、運賃もかなり安く運んでくれる運送事業者だが、貨物量と頻度、配達先を限定して荷受する仕組みとなっている。なぜなら、彼らの運航経路上で荷受が24時間できる所、即ち市場かその外郭でないと運航時間が読めないので断られるからだ。
 さらに高知県の場合、東西に長いので、物流事業者にとっても集配に時間とコストがかかり、それも運賃高に影響している。長距離輸送の車は高松や徳島あたりまでは入ってくるが、高知県まで入ってくる車は少ない。従って、どこかに中継所が必要になる。
 それでも、何とか多くの生産者の直接取引をサポートするための仕組みを構築したいと考えている。それには、生産者ごとの商流を把握することと、物流事業者の運行の現状を調査することが必要である。一生産者だけでなく、多くの生産者が望む仕組みを、専門家を交えて検討中だ。今後予測される運転手不足の状況も踏まえ、鉄道を利用した輸送に関しても取り入れる予定だ。

2019年02月22日