◎第370回 土佐文旦 (平成31年3月15月)

魅力のさらなる浸透へ

物流の仕組み改善に取り組む

 最近では高知産の土佐文旦を首都圏にお住まいの方も召し上がることが増えてきて、文旦農家から毎年直接取り寄せられている方も多いと思う。
私どもも数年前から、高知各地の文旦を首都圏に送らせていただいており、首都圏での需要が高まっているカット野菜、カットフルーツ用の物を数多く取り扱っている。 
昨年暮れから年明けにかけて収穫したものを、畑や冷蔵庫に1カ月ほど寝かすと、酸味と甘みのバランスが取れた、文旦特有の香りを味わうことができる。
 栽培過程でどうしても器量の悪いものや少々形の悪いものが出るが、味はそんなに変わらない。 栽培農家の方々は、出荷段階で大きさや形を見て選別作業をする。 仮にA品、B品、C品と分けた場合、A・B品はそのまま出荷するが、C品は手頃な値段で販売をするか加工用に回す。 味は変わらないのだが、価格が安くなる。
その年の気候状況などで品質や味の違いはあるが、少し暖かくなってくると文旦はよりおいしく味わうことができる。
 加工用としては、カットフルーツにしたり、ジュースにする場合もあるが、文旦の厚い皮を最近捨てずに甘みを含ませてピールにしたり、お菓子やスイーツなど多種多様な商品として利用されている。
 私どもはここ数年、継続してカット用の文旦を生産者、農協、市場から買わせていただき、関東のカット工場へ送り込んでいる。 カット工場では、各種の果物と盛り合わせたり、単独に文旦のカットしたものを盛りつけたりして、新鮮なうちにデパートや、スーパー、コンビニの店頭に並べる。
一度、文旦の味を知ると、そのおいしさは忘れられないものになるに違いない。 土佐文旦の味は、土佐文旦でしか味わえない。 グレープフルーツなどのような強い酸味ではなく、ジューシーでみずみずしく糖度と酸味のバランスがとても良く、後口も良いことから、知らず知らずにパクパクと食べてしまう。 また、土佐文旦の香りは、非常に爽やかで、この香りも大好きだというお客様がとても多く、これも魅力の一つである。
 文旦には1月から5月頃まで出荷される露地物土佐文旦と、10月末頃から12月末頃まで出荷される温室土佐文旦、そして9月から11月頃まで出荷される水晶文旦がある。
高知ではたくさんの種類の柑橘が栽培され、販売されている。 温州ミカンに始まり、ポンカン、文旦。 そしてこれからは小夏が出回る。 色々な果物をそれぞれ味わいながら、季節を感じていただければ幸いだ。
高知の色々な柑橘をおいしく召し上がっていただくためにも、物流の仕組みを産地側と買い手先の協力を仰ぎながら改善すべく取り組んでいる。
野菜や果物は、比較的安価なものが多いために、物流費の占める割合が高くなりがちだ。 特に野菜類では、商品価格と物流費がほとんど変わらない場合もある。 出荷段階から首都圏の店舗に収めるまでの物流コスト削減の削減を、さまざまな観点から検討を続けたいと考えている。 目指すのは、物流会社に負担をかけるのではなく、ムダをなくして効率を上げる仕組みだ。

2019年03月15日