◎第389回 高知、浦ノ内ポンカン収穫(令和元年12月27日)

風光明媚な景色の中

急斜面の作業も充実した日々に

 みかんの産地では、年末になると、猫の手も借りたくなるほど収穫に忙しくなるのは毎年のことのようだ。年末は何かとせわしいのに加えて、最近では人手不足が深刻になっている。
 知り合い果樹園から、収穫に来てもらえないかとの声が、1カ月ほど前からかかっていた。しかしながら、その果樹園までは、片道50キロはあり、機関は12月10日から来年の1月いっぱいの要望である。
 高知県へ最近、カルフォルニアから移住してきたK氏と相談したところ、年末は特にすることもないし、ぶらぶらしていてもしょうがないし、知り合いから頼まれたのであれば、アルバイト料がもらえるのなら手伝いに行こうということになった。毎日通うのも大変なので、2人で宿泊できるところはないかとお願いした。
 とにかくどんな作業なのか、月初めに現地へ出向いてみた。
 農園の場所は高知県須崎市浦ノ内で、ポンカンの栽培がおこなわれている。風光明媚な場所で、目の前には景色の良い横浪半島があり、その内側の湾に面した日当たりの良い山の斜面に農園はある。この浦ノ内のポンカンは横波半島の内側の立目ポンカンと合わせて、糖度と酸味のバランスが程よく大変おいしいと評判である。年末から年明けの出荷時期になると黄色く色づいてくる。
 ポンカンはもともと、インドのスンタラ地方が原産地であり、亜熱帯の柑橘類で、ポンカンのポンはインド西部の地名POONAに由来するといわれている。現在は東南アジア、中国南部、台湾などで栽培されていて、高知県では大正(4年)頃から栽培されたそうだ。
 今回、収穫をお手伝いしているM農園は、現在の代表の叔父さんが苦労して台湾から苗を輸入し、栽培を始められたとのこと。
 収穫作業は朝8時から夕方5時までで、昼の1時間と2時間ごとに10分程度の休憩が入るとのこと。服装などのアドバイスを受けて、作業内容を現場で説明してもらった。
 ポンカンの木はかなり高いので、脚立と竹製の梯子が用意されていた。山を見上げるとかなり傾斜が厳しく、まともに作業ができるか心配になった。山の斜面に沿って、収穫用のモノレールが走っている。
 作業としては、片手に専用鋏を持って、みかんの枝を切り取り、収穫前に、みかんを痛めないように再度切り取る(2度切り)。収穫したみかんを、近くの枝に引っかけた10キロは入る丈夫な袋にいれ、いっぱいになると、プラスチックの箱に移し替える。脚立や梯子に乗って収穫している場合は、下の人に、からの袋と入れ替えてもらう。
 山の斜面で、3~4メートルほど脚立の上に立って作業をすると足がすくむようだ。ちなみに私は、1度地面に落ちてしまい、その後はなるべく地面から収穫するようにと皆が心配してくれた。それでも地面の傾斜がきついところが殆どで、注意していないと滑り落ちそうになる。
 毎日9人から10人程での作業だが、休憩時間などでは親しく話し合い、助け合うムードを大切にしている。1日の作業が終ると、目の前に広がる海と湾の景色が夕日を浴びて輝いている。
 ありがたいことに、ポンカンの農園の真下の道を隔てた海岸ぶちに、農園が管理している別荘があり、そこに宿泊できることになった。遠方から手伝いに来ているのは我われだけではないのだが、快く願いを聞いていただいた。
 ポンカンの収穫作業を通して、農園の方々や手伝いに来ている方々との触れ合いを大切にして、この年末を充実して過ごすことが出来るに違いない。

2019年12月27日