◎第350回 森の小学校(平成30年5月18日)

高 知 の 特 性 を 生 か し

他地域にはないものを生み出す取り組みに

 高知県は森林地域が全体の84%を占めており、弓を張り詰めたような形状で、太平洋に面している。一部の地域では地震や津波の心配もあるが、逃げ込める森や山がある。
 さらに、日本列島の中では温暖な気候で、豊かな環境に恵まれている。愛媛との間には、西日本で一番高い石鎚山がそびえ、四国山脈と太平洋に挟まれた独特の自然環境にあるといえる。
 農業・林業・水産業と一次産業に恵まれていて、良かれ悪しかれ、多くの産物が少量多品種で、地産・地消になりがちである。
 一次産業以外に働く場が少ないのか、この半世紀の間、多くの地元の若者が仕事を求めて関東・関西へ移り住んでいく。現在もこの傾向は変わっていない。
 全国的にみても、少子高齢化の先進県であると県知事も話されていて、それ故に、全国に先駆けて、その環境を生かして新たな施策を推進して、課題を解決していこうと思いめぐらす昨今である。
 私ども一般社団法人高知サマサマCCRCセンターがシニアの皆さんが、具合が悪くなった場合に頼りにしているのが、高知でいくつかの医療法人の理事長をされているU先生である。先生が近年取り組まれていることに、ゼロ歳児から5歳児までの認定こども園「めだか園・もみのき幼稚園」、ゼロ歳児から2歳までの事業所内保育施設「すこやか園」、さらに来年(2019年)4月に開校する森の小学校「とさ自由学校」がある。これらは学校法人日吉学園として運営されている。
 この日吉学園の教育理念を見てくると、「心を育む出会いこそ人生の礎です。いのちとは何か、人として何が大切か、心で理解することが大切です。そのためには感性を育てることです。子どもの人間性を育み,いきいきと輝かせることです。美しい豊かな自然の中で、のびのびとまっすぐに育つ子どもたち、自らが学び、考え、行動し、そこに楽しさを見つけ出す子どもたち。一番大切なことは、さまざまな良きものに出会い豊かな感性を育むことなのです。教育において早すぎるということはありません。」とある。
 まさに、高知の特性をいかし、ほかの地域にないものを生み出していく、素晴らしい取り組みといえるのではないだろうか。
 先日、首都圏でさまざまな活動をしながら子育てを考え、この、森の小学校に来年お戸さんの入学を考えている母親Kさんにお会いする機会があった。お聞きするところでは、ヨガの教室や衣服の輸入販売等を手がけていて、多くのお母さま方とのコミュニケーションも数多くあり、子育てに関して森の小学校の考え方に賛同する方々とご一緒に、この夏のサマーキャンプに来られる計画を立てられている。
 私も何かお手伝いができないかと考え、早速、U先生に高知滞在中の宿泊施設について相談したり、学校の予定地である「いの町」の役場を訪問し、移住の環境や施策に関してご相談したり、Kさんに連絡、情報提供している。
 首都圏にはなくなってきている自然環境と本来の子供の成長に必要な要件は、むしろ地方で解決できるし、首都圏のお母さま方が、真に子育ての環境を求めていることを実感している。

2018年05月18日